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吸血鬼艦隊
2009-12-21 Mon 12:08
 「吸血鬼艦隊」侵攻、お疲れ様でした。










 ――空を、見上げた。


 理由など、特には無かった。
 視界の端に、白い其れが入ったから。
 ひらひらと落ちてくる其れをただ、目で追った先が空だった。
 それだけだ。

 …本当に、それだけ。
 込み上げてきそうなモノを堪える為、だなんて…そんな訳、ないわ…。
 ……今日が雨だったら、良かったのに。













 とても寒い、一日であった。先日から日本列島全域に押し寄せている寒波の所為で、南部である九州と言えど例外ではなく、寒い一日となった。…思えば、あの日も寒い一日であった。
 まだ春は遠く感じた3月。フランスと言う異国の地は日本よりも尚、肌寒く感じた事を覚えている。
 あの日、彼女が言った。
「……銀誓館は後々までの禍根となるでしょうね」
 後々までの禍根――その言葉が、耳から離れない日は、無かった。

 あの日、解っていた。彼女とは同じ道を歩めぬ事を。
 原初の吸血鬼の強さを、そして彼らにとって彼女と自分達も遊戯盤(ゲーム)の駒に過ぎないのだと言う事も。だが、理解してはいたが、希望を捨てきれないでいた。
 もしかして、もしかしたら。彼女なら。
 淡い淡い、期待だった。話し合えるかもしれない、と。だから、会うことが可能なら今一度あいまみえたいと思った。


 冬の海の上――輸送艦の甲板は風が強く、長いぬばたまの髪を靡かせる。普段ならば手で押さえ付け邪魔にならないようにする其れも、今ではどうでも良いことに思えて意識を向けることさえしなかった。
 空を見上げた視線を、甲板へと戻す。甲板には幾多のブランケット(死体袋)。
 感情は自分で思っていたよりもずっと穏やかで、複雑な念はあれども之は戦争である事等を弁えていた。いつもと同じ様に、死者への弔いをする為にこうして此処へ立ったのだ。戦争であれど敵味方の区別はなく祈りを捧げるのは、本当に「いつもと同じ」。
 そう。こうして『彼女』の傍らに跪き祈りを捧げることも、「いつもと同じ」。
 其れなのに、何故、何かが込み上げてきそうな気がしたのだろうか。それも、「いつもと同じ」なのだろうか。
 自問しても答えなど見えるはずもない。答えなど、最初から用意されていないのだ。

 祈りを終え立ち上がり、自問の愚かさに自嘲の笑みを浮かべようとして、失敗した。
 くしゃり、と微妙に己の顔が歪んだ事に気が付いた。が、気付いてはいけない事の様に思えた。
 軽く肩が震えたのが解った。
 声を掛けられた、気がした。
 あんなに空で五月蝿くしていた迎えのヘリコプターの音も、今は聞こえない。

 頬に、暖かいモノを感じた。

 夕闇色に染まろうとする、赤く黒い空は美しくて。
 先輩である彼の人が、優しく肩を抱き寄せてくれても、ただその美しさを見ていた。
 そう。自分はその美しさに心が揺れ、頬を濡らすのだ。

 嗚呼、一日が、戦争が、終わりを迎えようとしている――。






「――…また風が出て、参りましたわ」
 飽くるまで、暗くなるまで空を眺めた後、隣に立つ彼を思い出したかのように見上げて、ぽつりと呟く。そして、何事も無かった可の様ににっこりと微笑んだ。
「…お土産は、プリンに致しましょう。長崎プリンと言うものを常々食べてみたいと思っていたのですわ。あ、いえ…お土産ですので私が食べる訳ではないのですが」
 ごほん、と気恥ずかしさを隠しつつ咳払いをすると、溜息と優しさの混ざった様な顔で、笑われた気がした。



 遠慮がちに頭にそっと手を置かれたが、今日だけは怒らないでおくことにして、待っているであろう皆の場所へ促がした。
 立ち去り際に、もう一度、ただ一度だけ振り返り、海を、空を、見る。
 短い短い、たった7文字の言葉を唇だけで呟くと、二度と振り返らずに前を向き歩み去った。


 ――おやすみ、なさい――








 ――本当に、今日が雨だったら、よかったのに。









←----------------------- キリトリ -----------------------→
雨は洗い流すもの、そして痕跡を隠すもの。
淡雪程度ではなく、吹雪いて積もるなら雪が良い。
雪は全てを覆い隠すもの。
血の赤も、己の罪も、全て。


躑躅は基本的に、戦争では涙を流しません。
敵味方の区別なく、割り切っている。
悼む心はあるけれど。
友人知人はどうかなぁ。幸運な事にまだ未経験だし…わかんないなぁ。
後から押し寄せてくるんだろうなぁ。

鬼の目にも涙ーヾ(。・(エ)・。)ノ
って言うと、般若の如きモーラットの気迫を纏った躑躅が貴方の背後に漏れなく現れます。

シリアス?無理だよ☆(oゝ(エ)'o)v←
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